助成金と社労士

b0170650_17141682.jpg雇用関係助成金の申請代行業務は、社会保険労務士の独占業務です。

これはなぜでしょうか?他の士業ではできないのはなぜでしょうか?

これは、「助成金の政策意図を正しく遂行してくれるから」ということに尽きます。優しくいえば「おカネを正しく使うお手伝いができるから」ということです。助成金は政府や厚生労働省、労働局の「政策意図」を実現するためにあるのです。

それらの「実にヒトのイイ」ことをやるには、おカネがかかります。その負担を少しは減らそうという当局の思いやりといえますね。

政策意図は例えば・・・

・労働移動しても無職にならないように、教育をする。
・不安定な雇用にならないように、正社員に昇格する。
・育児休業の永続的なシステムを作る。

かつてこの独占業務を勝ち取った社労士業界の先輩方は、「助成金の政策意図を正しく遂行してくれる専門家」としての社労士の立ち位置を強調したのです。

そのお手伝いの内容は、例えば・・・

・労務関連の法定3帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)をきちんと真正に作る。
・当局の政策意図を積極的に伝え、それを企業に実行させる知識で、実現にこぎつける。
・その実現を続けるために、受給以後も改善や対策をしっかり講じることができる。

というようなものです。社会保険労務士は労務の専門家、特に関連してくる労働基準法、労働安全衛生法、雇用保険法、保険料徴収法、最低賃金法等について精通しているので、その政策意図を、企業のためにプラスに転じさせるようにする力を持っているとみなされているからなのです。

社労士の助成金申請のスタンスは、「企業と当局の間を取り持って、調整し一番いい結論を導き出すこと」にあります。それには「助成金を受けない」という選択肢も含まれます。企業と当局の意図しているものが相違すれば、当然助成金の要件を満たさないわけですから、あきらめるのも当然でしょう。

なぜ社労士の独占業務になっているかというと、他の業界では助成金というと「融資である」というスタンスに聞こえるからなのですね。融資は用途自由です。おカネ中心なら、他のヒトが何が何でも引き出す!ということで、代行してもイイでしょう。

しかし雇用関係の助成金は自由なようで自由ではないのです。確かにおカネは出ますが、教育をしたり設備投資をしたり、規程を作成したり、手間のかかる割には、当局から出るおカネは少ないのです。

融資というと自由に使っていいおカネのように聞こえますが、助成金は持ち出しも多い特徴があるのです。おカネは出ますが、それで、企業内の労務の良きスタイルを作ることができれば、当局も助成金を出した甲斐もあり、企業もハッピーというというものです。

ですから、おカネおカネと、そちらだけ強調しているのでは、当局も政策意図を実現できず、社労士もお付き合いが長続きせず、企業も間違った方向に進む危険が多くなる、すべてがアンハッピーになる、助成金はそういう側面があるのです。「おカネが出るモノであるが融資ではない」側面を助成金導入の目的にしたいものです。

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by sinrousya | 2015-08-09 07:00 | ★横断・小ばなし2015


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